【1】糖度20に届くかもしれない個体
初なりで糖度18.9を記録した沖縄ハイブリッド中最高糖度の個体。
糖度があと1.1で20である。
この個体は糖度20のポテンシャルがあると見るべきだろう。
種の発芽が遅く、他より成長が遅れたために3号鉢で適当に栽培されていた個体。
つまり期待されていなかった。
しかし実をつけてみるとどうでしょう?
【2】カジイチゴの熟しかた
沖縄ハイブリッド中で唯一カジイチゴ型の熟し方をします。
カジイチゴ型の熟し方は一度銅色に色づくことが特徴である。
緑→銅色→完熟色
クサイチゴ型は緑→黄→完熟色
リュウキュウバライチゴは果実内の粒が一気に熟さず、1粒ずつまばらに色づき、最期に黒っぽくなります。
【3】糖度が高い果実
3号で雑に栽培していたので実が小さいですが、この果実が糖度18.9の果実です。
ダークホースは親であるリュウキュウバライチゴよりも黒が強く
穴馬であること以外にも色が暗いのでダークホースと名付けました。
かなり黒く色づく。
【4】横に広がりやすい木
1本立ちで直立しやすいソロと異なり
シュートがいくつかでて横に広がる性質がある。
【5】選抜を重ねた結果
サイズと糖度だけでいえば
巨大果のソロと超高糖度のダークホースは日本一のレベル。
ただただ別種同士を交雑させたわけではなく
親の段階、そのまた親の個体たちも選抜したからこその結果でしょう。
【6】家系図
母親のリュウキュウバライチゴは果実の粒数が多く、完熟しても引き締まって硬めの長実、色は赤黒いがソロと同程度でダークホースほど黒くはありません。
父親は糖度16のクサイチゴとカジイチゴの雑種。
完熟前でも酸味がなく、キイチゴは酸っぱいというイメージをぶち壊す個体。甘味強く美味しい。
祖母のクサイチゴは糖度16に達する個体。果実のサイズは100円玉サイズ、香りが強く甘味も強いのでまだ保有しています。
祖父のカジイチゴは糖度23に達するが、酸味がなく香りも薄いのでただ甘いだけの個体。子供の頃からお世話になっていた野生個体からの利用、現在は自生地が消滅したのでこの個体も消滅しています。
ただ周辺にまだ林があるので株わかれしたものが存在する可能性はありますね。。
【7】考察
ダークホースの糖度は祖父であるカジイチゴから受け継いだのだろう。丸い形はクサイチゴから、色はリュウキュウバライチゴから。
兄弟で巨大果の
ソロは丸い形をクサイチゴから、果実の粒数をリュウキュウバライチゴから、果実の肥大率をカジイチゴから受け継いだと見られる。粒の先端のみ黒く色づくのはカジイチゴのイクラカラーの遺伝子だろうか?
よくみると沖縄ハイブリッドはみな丸い、クサイチゴの丸い実がなる遺伝子が強いことがわかる。