天才!?マッド菜園ティストHI-Dの生活

皆さんご存知マッド菜園ティストHI-D先生のマッドな品種改良を記録していく場です。まぁまぁ頑張る!

岡山県産野生メロン及び複数の栽培系統を用いた品種改良

1970年代、藤下教授という方が日本各地に点在していた野生のメロンについて研究していた。

瀬戸内の島々や遺跡などに自生していたようだ。

その数は数十種類にも及び、中にはマスクメロンのように網目のある種類や、古典的カンタロープのようにイボのあるタイプも存在している。

最も有名なものはメディアで取り上げられた女木島のJMG-16だろう。世界一小さいメロンということで注目されたようで、島起こしに使えないかと色々試されているようだ。






野生に生き残ってきたメロンということで病気や害虫に強いイメージが沸いてしまうが、実はそんなことはなくほとんどの野生メロンが栽培種と同程度。

故に利用する価値がほぼなく、広く知られていないのもこれが原因だろう。

だがしかし、かぞえるほどだが良い形質を持つ野生メロンもいくつかあり、僕はそのうちの一種である岡山県産の野生メロンを利用している。


テレビやネットでは完熟しても酸っぱいだとか渋い苦いだとか言われていますが岡山県産野生メロンJMU-4はやや苦味が残る個体と苦味はない個体
があった

基本的には糖度6程度でキュウリのような味である。

1株だけ両性花ではなく、雄しべのない単性花の個体が生まれた。

品種改良には雌花に雄しべがないこの単性花個体を利用した。







①識別名:アルファ

交配は
母がキューピット、父が野生メロンJMU-4

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サイズが小さいのは1節目に着果させたためで
のちにまともなサイズを収穫している。

果皮色は父の野生メロンに似る。

基本的に病気にかからなかったが
うどん粉病にやや弱い。


完熟するとヘタから落ちる。


果肉
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果肉は白で父の野生メロンに似る。
苦味や強烈な酸味はなく、適度に酸味がある。


糖度13.5
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野生メロンハイブリッドだがカンタロープメロン並みの糖度まで上がった。

香りは良く、甘味と適度な酸味があり美味。


交配相手はデルタ(菊メロン×オーゲン)









②識別名:ベータ

交配:母がキューピット、父が野生メロンJMU-4


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果皮色は父の野生メロンに似る。
サイズが大きめで、始めから最後まで
ほぼ同じサイズの果実がとれつづけた
豊産性個体。

うどん粉病にも強い。

完熟するとヘタから落ちる


果肉
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果実は白で野生メロンに似る
爽やかで酸味が多め。


糖度9.8
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甘味がやや少ないが雌花が着果しやすく
サイズが安定しており病気に強いので
利用価値はある。


交配相手はデルタ(菊メロン×オーゲン)
カンタロープ(スクリーンデトゥール)





③識別名:ガンマ

交配:母が野生メロンJMU-4、父がキューピット

サイズが大きめで病気に強い。

完熟するとヘタから落ちる。

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果皮色は父のキューピットに似る。



果肉
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果肉は薄赤でキューピットに似る。
香りもカンタロープ的で素晴らしい。

食感がサクサクしているのは野生メロンに似る



糖度11,1
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やや低めの糖度だが栽培次第で上がるだろう。

交配相手は菊メロン×アールス(名称未定)










④識別名:デルタ

交配:菊メロン×オーゲン

滋賀の悠紀種を起源とする
暑さに強い菊メロンを母に、

アールスよりも古典的なマスクメロン
(レティクラトゥス種)であるオーゲンを
父にした個体。


果実

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画像は変形果だが、のちに瓢箪型の果実が
とれているので、瓢箪型が基準になるだろう。

果皮色は父のオーゲンに似る。

完熟すると菊メロン同様にヘタから落ちる。


果肉
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果肉は緑でオーゲンに似る。
香りはレティクラトゥス種とマクワの中間。


糖度15.4
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糖度はマスクメロン同様に高い

葉が大きく田んぼの土で
過湿状態でも育つほど根が強い。

茎が細いが果実の肥大率が高いので
果実付近のツルが折れやすい。

できればつるすなどで果実を固定する
べきだろう。



交配相手は菊メロン×アールス(名称未定)











④識別名:イプシロン

交配:野生メロンJMU-4が母でキューピットが父

雌花が多く病気に強い豊産性個体。

ただ果実のサイズはバラけやすい。

完熟してもヘタから果実が外れない。

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果皮色は父のキューピットに似る
果実の形は長卵型だが、2果目以降は
丸に先がとがりキューピットに似る。



果肉
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果肉色は薄赤でキューピットに似る。
果肉が厚く香りが強い



糖度14.5
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種子まわりのゼリー部の糖度は14.5


糖度15
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果肉の糖度は15

甘味が強く香りもよい。

病気にも強く野生メロンハイブリッドの中で
最も優れた個体だと言えるだろう。

おそらく完熟してもヘタから落ちないのが糖度の上昇に関係しているのではないだろうか?


交配相手は菊メロン×アールス
そしてサンライズである。







アルファオーゲン系×イプシロンアールス系

イプシロンアールス系×ベータカンタロープ系

イプシロンアールス系×デルタアールス系



野生メロン主体の交配は来年これでいく。


栽培品種では

香り専用種の遺伝を持ちパッションフルーツの香りとグァバの後味を持つ品種や

糖度16以上が普通の品種

古典的カボチャ型カンタロープ

この3つも交えたい。







中国産とみられる梨瓜の食感でカンタロープの香りを持つ果実が気に入ったので

これの大型化も目指す。




結果としてメロンは外観が父に似るということが判明した。


ちなみに野生メロンハイブリッドは全て雌花に雄しべがない単性花なので

単性花の遺伝は雌花にも雄しべがある両性花よりも優勢ということになるだろう。