キノコ狩りというと秋のイメージかもしれないが
食用のキノコは一年中生えており、キノコ狩りはいつでも楽しめる愉快な遊びである。
ただ遊びに危険は付き物で、落ちたら危険なジャングルジムと同じようにキノコ狩りも当たれば危険である。
その点、トリュフはほとんど間違いはなく形状、色、サイズによっては別種のトリュフの場合があるが、トリュフはトリュフだ。
日本でとれるトリュフの代表的な種はイボセイヨウショウロだが、他にも数種類が知られている。
白トリュフの仲間が見られる地域もあるので、おそらくきちんと調べればかなりの種類が存在する。
間違いがあるとすれば同じ時期に同じ木から出てくるジャガイモタケの仲間で
これは香りもトリュフのように素晴らしく白トリュフに近い香りがある。
味はトリュフ同様にそれほどないがオイルに浸けると何故か甘味が出る。
焼き肉に合うので僕は焼き肉玉と命名し珍重しているが、食毒不明らしいのでみんなは食べてはいけない。
僕専用。
特徴としてはトリュフと異なり足の痕跡があることと、傷つくと青く変色することだ。
あと内部が若干異なる
イボセイヨウショウロ
焼き肉玉
イボセイヨウショウロが発生する条件としては、まず菌根菌であるためコナラやシラカシなど適応する樹種が自生すること
次に一年中ある程度の湿度が保たれることが大切だ。
発生は7月頃から見られ、10月が最盛期。
他に緩やかな斜面であることや、大木に囲まれた苔むした空間に多いなど他にも色々見つけるコツはあるが、公園の階段脇なと変なところにあったりもする。
森で注意深く落ち葉をはらっている人がいたら十中八九トリュフ狩りだろう。
チャレンジするなら安い熊手を持って行くと良い。
日本でとれるトリュフのイボセイヨウショウロは香りが薄い、加熱すると香りがないなどの評価がされることがあるが、実際上手く調理すれば市販のトリュフと変わらず利用ができる。
加熱すると香りが飛びやすいのは市販のトリュフも同じなので、トリュフの扱いに慣れた人からすると下手な調理した下手くそが自分の下手な料理食って文句言っているだけにしかみえない。
完熟品を"仕上げ"に利用するのが良いだろう。
完熟して強い香りをだしているトリュフの長期保存には、スライスしてトリュフがギリギリ浸かる程度のオイルに漬け込み、湯煎で80度程度に加熱するのがベスト
今年イボセイヨウショウロでも試したが市販のトリュフ同様に香りが衰えない。
トリュフ狩りストの皆さんにはオススメだ。
利用するオイルは高価なEXVを利用したい気持ちはわかるが、トリュフの香りを邪魔しないピュアオイルがベスト。
さて、トリュフ以外にも日本では沢山のキノコがその辺に適当に生えている
秋に川沿いを歩けばヒラタケ、ムキタケなどを見つけることができるだろう。
ヒラタケはフナの死体があるほど川の近くでもクヌギやコナラがあればはえている。
ムキタケはサクラの樹皮がめくれたところから生えてくることも多く、サクラの多い日本ではその辺でよく見つかるキノコの一つ。
ヒラタケとムキタケはよく似ているが、ムキタケの方が黄色みがあり、皮に苦味があるので食べればわかる。苦味が気になる場合には名前のとおり皮を剥くと良いだろう。
ヒラタケは小さい内は灰色がかって黒っぽいが、傘が開いてくるにつれ肌色っぽくなる。
両者とも注意するべき毒キノコはツキヨタケくらいなので、初心者にも判別がつきやすいキノコである。
他に日本人がイメージするキノコといえばシメジだろうか?
ホンシメジはほとんど見ることができないが
湿度の高い場所であれば秋にその辺でハタケシメジが適当に生えている。
公園のベンチの間からも生えているほど旺盛で群生地帯に当たれば一度に5キロ程は手にはいる。
味が良く人気のキノコだが、毒キノコのクサウラベニタケと同じ場所に生えていることもあるのでそこだけには注意が必要。
クサウラベニタケ
やや乾燥地帯でも生えているシメジの
仲間にはムラサキシメジがある。
フランスでピエ・ブルーと呼ばれ輸入品が日本でも購入できるが、わりとその辺に生えている。
香りはキノコだがエビのような濃厚な旨味があり、じっくりソテーすると最高に美味い。
ただムラサキシメジには数系統あるようで
竹林のムラサキシメジは輸入のピエ・ブルーと同じく採取後すぐにムラサキ色が抜けて白っぽくなる。
対して広葉樹林のムラサキシメジはいつまでも色が衰えず美しいままだ。
広葉樹のムラサキシメジの方が甘味が強く竹林のものはややさっぱりしている気がする。
他にも樹木を腐らせる植物の大敵
ナラタケなどは古い木があれば公園でも道路沿いでも生えている
ちなみに画像は目白駅付近の公園
コレラタケが似ている毒キノコとして挙げられるが、実際はあまり似ていない。ナラタケの柄は枯れた枝のようにポキポキ折れるのが特徴なので間違えることはめったにないだろう。
キノコ狩り入門にオススメのキノコはやはりキクラゲだ、これからの寒い時期にみることができる上、似ている毒キノコがない。
乾燥保存もできるので採れすぎても問題ないだろう。
梅雨から秋にかけては近縁種のアラゲキクラゲが多く、これも同様に利用できる。
温かくなってくればヤマドリタケモドキ、タマゴタケなどが生えてくるなど一年中キノコ狩りは楽しめる。
釣りや山菜採りの合間に確実に見分けがつくキノコがあれば採取してみるのも良いだろう。
採取できる獲物が増えると森や公園を歩いているだけで人生が豊かになるので、一つ一つ狙いを定めながら一歩一歩勉強してみてはいかがだろうか?