天才!?マッド菜園ティストHI-Dの生活

皆さんご存知マッド菜園ティストHI-D先生のマッドな品種改良を記録していく場です。まぁまぁ頑張る!

簡単自家製チーズ~蘇のまんまグラナ~作り方

さて、
皆さんが何を求めてこのページにくるのか

それは人類の叡知
ミルクの錬金術についての新しい知識を求めてのことと思います。


だがしかし、このページで紹介するのはとろりととろけるチーズの作り方ではなく、題名のとおり蘇のまんまグラナの作り方。

蘇(そ)とは古代に作られていたチーズの様な食べ物のことで、牛乳を焦がさない様に煮詰め続けて、水分が充分飛んだら型に入れて冷やし固めるもの。

チーズとの違いは乳酸発酵しないこと、レンネットを利用せずに固形化させることです。レンネットとは子牛が母牛から授乳されたミルクを消化するための酵素で、古くは産まれたばかりの子牛を殺害し胃からレンネットを採取していましたが、最近では毛カビの一種から同じ成分を採取出来ることがわかり、ほとんどのチーズは毛カビから作られたレンネットが利用されている。

ただ、アーティチョークの汁やライムなどミルクを固める成分を含む植物性ものが利用されることもあります。つまりチーズを定義すると、乳酸発酵してレンネットだろうが植物の汁だろうが何かしらで固形化した牛乳と言えます。

その点で言えば加熱し、水分を抜いて固めた蘇も半分チーズみたいな物と言えますね。










蘇のまんまグラナの名前につけたグラナとは、最高級のチーズであるパルミジャーノ・レッジャーノや、グラナ・パダーノが含まれるハードチーズで、牛乳を乳酸発酵させてある程度加熱してからレンネットを加えます。そのまま加熱を続け水分が少なくなったらガーゼの様な薄手の布に集め水分を絞り出します。その後、型にハメて冷やし固めます。

次に、水にもうこれ以上溶けないくらい塩を入れた飽和食塩水に20日前後漬け込み、その後に水に漬けて、最後に塩分濃度が30%ほどになるくらい塩抜き処理を施した後、ようやく熟成に移される。

ここまでの製法をみると、加熱処理が固形化に貢献することなどが蘇とグラナに共通していることがわかる。







そこで、蘇のまんまでグラナのように熟成する~蘇のまんまグラナ~の開発を試みた。













①材料

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今回は無調整の牛乳を2種類ブレンドした、実はパルミジャーノ・レッジャーノも普通の牛乳とジャージー牛系の牛乳をブレンドする場合があるようなので、それを真似てジャージー牛乳も利用することとした。その他は塩、水、オイルを利用した。
















②煮詰める

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テフロン加工が施されたフライパンでやるのがオススメ、普通の鍋を利用するとかき回し続けたとしても底でコゲつくので注意が必要です。コゲついても茶色く色がつくだけでほとんど味は変わらないのでそれほど問題はありませんが、コゲついていない方がキレイに仕上がります。

















③型にハメて冷やし固めるそして塩漬け塩抜きする

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茶色いものが普通の鍋でなおかつ加熱しすぎたもの、白い方がテフロン加工のフライパンでなおかつちょうど良い加熱加減で仕上がったもの。

加熱しすぎたものは牛乳がこねくりまわせるまで加熱したもので、型にハメてもひび割れしてしまった。ちょうど良い加熱加減は牛乳にまだ水分が少し残っているトルコ風アイス程度の粘りがある状態で加熱をストップしたもので、型にハメてもキレイに固まった。

つまりパサパサになるまで加熱せず、適度に粘りがあるギリギリでクリーム状くらいの柔らかさで型に移すとキレイに仕上がります。

型は今回、簡単に自家製できるというコンセプトなので、普通のお茶碗を利用しました。型から取り出し易いようにお茶碗にラップをしき、その上に煮詰めた牛乳をつめこみました。

固まったらグラナと同じく飽和食塩水で塩漬けし、塩漬け日数に応じて塩抜きします。
例えば今回は塩漬け塩抜き共に1週間、塩抜きの仕方は水に浸けただけです。







④カビが生える

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塩分濃度が高い保存食を作る場合、基本的にはペニシリウム属菌(青カビ)が発生します。食用になる青カビの特徴は白カビ状態を経て青カビに変化する場合が多いことで、白と青が混在しつつ、最終的には青カビで全体が覆われるような、そんなカビ方でカビるんるんします。

パルミジャーノ・レッジャーノなどの場合にはキズや筋、割れなどが出ない様に型にハメて毎日磨いてカビを防ぎますが、今回は型につめこんだときのラップの筋などにカビが発生しました。ただ、数日に一度は画像のようにオイルを塗って磨きながらカビを落としていました。画質が悪いですが画像はオイルを塗った布で磨いた直後です。

本来グラナチーズでは頻繁に磨いてカビを生やさないものですが、カビを生やすことには利点があります。例えば今回の青カビでは、青カビは表面にしかつくことが出来ない菌であるため、内部に侵入することはありません。つまり表面が青カビに守られて内部に雑菌がつくのを防ぐことが出来ます。生ハムやチーズなどの熟成時に青カビや白カビなどのペニシリウムの発生があった場合には内部は無事守られていると考えて良いでしょう。

食べる時に切り落とせば味や風味、菌は取り除くことが可能です。





⑤カビを食べる
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しばらくしてさらに水分が抜け、カビがこれ以上増殖しなくなった頃に青カビ 部分を削り、ブルーチーズとして食べました。グラナチーズでいう皮部分になるので食感はややパサついていますが味や風味は旨味が強い普通のブルーチーズと変わりません。


この現象を利用して、~蘇のまんまブルーチーズ~の製造も可能だと思います。青カビは好気性の菌なので、本場のブルーチーズ同様に人工的にチーズに無数の穴をあけることでチーズ内部への青カビの発生が期待できると思います。







⑥さらに熟成 させる

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カビを切り落とせば中身はキレイです。これ以上カビが発生しないほどに水分は抜けているため、このまま熟成が可能です。パルミジャーノ・レッジャーノのような旨味成分の粒が見えるので、この時点で熟成によりある程度の旨味がうまれていることがわかります。


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水分が完全に抜けてしまうと熟成が進まないため、最後に表面にオイルを塗り保護しました。













⑦完成

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パルミジャーノ・レッジャーノ同様に2年熟成をしようと思いましたが、表面に旨味成分と塩の混合物である白い粒が浮き出ていたので完成としました。

仕込みが8月20日、完成が翌年の2月24日になるので8ヶ月程度で完成したことになります。







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香り、食感、風味は完全にグラナチーズそのもので、旨味はパルミジャーノ・レッジャーノの5分の3ほどにもなりました。旨味がパルミジャーノに追い付かなかったのは熟成期間が短かったのが原因だと思いますが、それでも充分グラナ系ハードチーズの味になったため、自家製の長期熟成型ハードチーズの製造を試してみたい変態のみなさんにはオススメのレシピです。






今回は紙パックの牛乳2本を利用しましたが、6本程度の量を使えば本物のパルミジャーノ・レッジャーノの4分の1サイズくらいの雰囲気にはなるので、更に長期の熟成が可能になると思います。


真夏に数日常温放置して乳酸発酵してヨーグルト味になってしまった酸っぱい牛乳を使えばよりチーズに近いものが作れるでしょう。